育てたブルーベリーを収穫して食べているときは「もっとたくさん育てたい!たくさん食べ
たい!」と思いますよね。
そんな方に向けて今回は挿し木で増やすやり方をご紹介したいと思います。
・ブルーベリーの挿し木
ブルーベリーは挿し木で増やすことができます。
初心者の方でもコツをつかめば簡単にできます。
実るまでになるには時間を要しますが、育てていくのも愛着がわいて楽しみになりますよ(*´ω`*)
ブルーベリーの挿し木は、一般的に行われている植物の挿し木と同じで、適切な時期に枝を
土へ植えて育てます。
コツは、「剪定した枝を挿し穂にすること」と、「用土にピートモスを混ぜて保水性を高め
ること」です。
挿し木はいつでもスタートできますが、時期により水やりや生育速度も違うので、育て方を
間違えないように気を付けましょう。
・ブルーベリーの挿し木の時期は?
ブルーベリーの挿し木は1年中いつでも行えますが、適期は7~8月、11~12月の剪定後です。
切り取ってからの時間が短いほど発根率が高く、成熟しやすいといわれています。
剪定などで切り取った枝をすぐに挿し木に利用しない場合は、密閉できるビニール袋に入れて挿し木のタイミングまで冷蔵庫で保存します。
外に置いておくと枝が袋の中で腐ることや枝枯れ病にかかることがあるので注意してください。
ブルーベリーは挿し木をする時期によって挿し木の呼び名が変わります。秋から年明け前の挿し木を「休眠枝挿し」、夏の成長時期(7月以降)の挿し木を「緑枝挿し」と呼びます。
・いい挿し穂の条件
●緑枝挿し:葉がついた太くしっかりと伸びて充実している1年枝。
●休眠枝挿し:太くしっかりと伸びて充実している1年枝。
・挿し木の方法
【緑枝挿し】
緑枝挿しは、夏の時期に挿し木を行うので、温度管理がやや難しい方法です。
なので、多くの方が都合上挿し木が必要な育苗家や、ブルーベリー農家の方が行っています。
1.挿し木用のポット(最初は小さくていいです。2号とか。)を用意してピートモスと鹿沼土(※)を混ぜた用土を用意する。挿し木したい数だけ剪定した枝を用意しておく。(約10cm)
2.用土に水を含ませておく。挿し木の3時間前に基部を水につけて給水させておく。(※2)
3.挿し穂を用意し、切り口(枝を切った部分)をナイフでとがらせる。この作業は、少しでも切り口から水分を吸い込む量が増えるように行います。
4.ポットに2の用土を入れて挿し穂を植えます。先端に葉を2枚残し、2枚とも半分にカットします。
(肥料はまだやらないでください。根が出てきて植え替えをするときにあげてください。早くて3ヵ月、遅いと1年で発根します。挿し穂を少し引っ張てみて根が土をつかむように抜けにくい感じがしたたら根は出ているでしょう。)
5.半日陰で根が出ない場合、日差しがある程度あたるところに置いてみてください。
※2、3日 水をあげられない時がある→ピートモス:鹿沼土=1:1。
毎日水あげができる→鹿沼土100%。
※2 長時間水に浸しておくと挿し穂が腐敗しやすくなります。1~5分間水に浸した後、湿った新聞紙 などで包んでおくと、1時間程度で水揚げができます。
【休眠枝挿し】
休眠枝挿しは、初めて挿し木をする方や家庭菜園にお勧めです。
冬の間はブルーベリーの成長がとてもゆっくりで、止まっていることもあるほどなので、水やりなどの手間がほとんどかかりません。
やり方は緑枝挿しとほぼ同じです。
・挿し木が発根する温度
発根の最適温度は25℃付近と言われており、さし床内の温度も30℃以下が望ましく、高くて
も35℃を超えないように管理してください。
また、湿度は70%以上を保つようにしてください。
と言ってもそんなに厳密に管理しなくても、ハイブッシュ系は暑さには弱いのでできれば上
記の温度が好ましいですが、ラビットアイ系なら暑さに強いので、水やりの間隔をどうやる
かにより違いは出てきます。
一概にこうすれば絶対なる、なんてことは言えません。
自然との折り合いをつけるには少し手間でも管理を怠らない方がいいかと思います。
・注意事項
ブルーベリーには、最新品種にはPVPマークと呼ばれる印がついています。
いわゆるパテント品種である事を明示するためのものです。
『このマークが付いている品種は、開発にお金がかかってますので開発者の権利を守るため
に、勝手に増やしたり譲渡しないでね』
という開発者の意思表示を明確にし、消費者に注意喚起するためのものです。
ブドウやイチゴの開発品種が海外に流出した事が問題視された事により種苗法が改正され、
開発者の権利保護とひいては日本の農業発展のために整備された制度という事になっていま
す。
制度が特許制度と似ているため、パテント品種と呼ばれていますが、
マークは Plant Variety Protectionの略であり、patentのpは入っていません。
つまり、簡単に言うと、パテント品種は勝手に挿し木で増やさないでください、ということ
です。
お店でもパテント品種は「PVP」と必ずどこかに明記してありますので、ご注意ください。
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