気温が低くなってくると、なかなか野菜は大きく育たなくなってきます。
ベビーリーフとは、葉野菜の若葉のことです。野菜の品種名ではなく、
レタスやコマツナなど、葉野菜を若葉のうちに収穫したものを総じて「ベビーリーフ」と呼
びます。
そのためベビーリーフに使われる野菜の種類に決まりはなく、
市販されているベビーリーフは数種類の野菜がミックスされています。
市販されているベビーリーフミックスの種に使用される野菜は、
レタス・ルッコラ・ほうれん草・ミズナ・コマツナ・チコリー・クレソン・ケール・ツケナ
などです。
キク科やアブラナ科の葉野菜が多く、
ベビーリーフミックスによって配合されている野菜の種類は異なります。
・栽培難易度:1 ★☆☆
種まき時期の目安:真冬と真夏を除き周年
収穫時期の目安:種まきから3〜5週間後
若葉のうちに収穫するベビーリーフは、種まきから収穫までの期間が早いのが特徴です。
種をまいてから約30日前後で収穫できるため、病気にかかりにくく、
栽培の難易度は比較的低めといえます。初心者でも比較的かんたんに栽培できるでしょう。
初めから「ベビーリーフミックス」もしくは「サラダミックス」という名前で、
さまざまな葉物野菜の種をミックスしたものが売られていますので、これを購入しても良い
ですが、
これらの種は特にベビーリーフ用の特別な品種というわけではありません。
ですから自分でさまざまな葉物の種をミックスしてまくことも可能です。
家庭菜園ですと葉物野菜の種は余りがちなので、
これらを混ぜてベビーリーフミックスとしてまくと良いでしょう。
・ベビーリーフの種類
【辛味のあるベビーリーフ】
マスタードリーフ
ルッコラ
レッドマスタード
カラシナ など
【味にクセのないベビーリーフ】
ターサイ
コマツナ
ホウレンソウ
リーフレタス など
【苦味のあるベビーリーフ】
チコリー
エンダイブ
レッドオーク
早生ミズナ など
・栽培方法
●バラまきがオススメ
葉物野菜は通常、筋まきにすることが多いですが、この場合はバラまきがオススメです。
バラまきのメリットは面積を広く使えるため、
同じ面積の中でもより多くの野菜を育てられることです。
逆にデメリットは雑草の芽と混じりやすく、初心者の場合は見分けがつきにくいこと、
間引きが難しくなることが挙げられますが、
11月は気温も低く雑草も生えにくくなるためバラまきで作りやすい時期だと言えます。
【ベビーリーフの種のまき方】
種が重ならないよう、土の上にパラパラと種をまきます。
種をまいた後は軽く土をかぶせます。かぶせすぎると発芽しにくくなるため、
種が見えなくなる程度に土をかけてください。
土をかけたらベビーリーフの種が流れてしまわないよう、やさしく水をかけます。
ベビーリーフは栽培方法によって、種のまき方を変えるとよいでしょう。
プランターでベビーリーフを栽培するなら、土の上に種をパラパラまく「ばらまき」がおす
すめです。
種が重なって、根が伸びてきたときに根が絡んでしまうのを防げます。
露地栽培をするなら「すじまき」で種まきしましょう。
畑にスコップなどで線を引くように溝を作り、等間隔に種をまく方法です。
畑に「ばらまき」で種をまいてしまうと、ベビーリーフと雑草の見分けがつかなくなってし
まいます。
すじまきで種をまいておけば、列状に芽が出てくるので、雑草と区別しやすくなります。
種まきの注意点は、ベビーリーフの種を一度に全部まいてしまうと、
一気に収穫時期を迎えて食べきれなくなってしまうことです。
種をまく量は、1週間で食べ切れる量を目安にまくとよいでしょう。
時期をずらして栽培すれば、途切れることなく自家製ベビーリーフを楽しめます。
●苗からの育て方
発芽温度に適さない時期や害虫被害の多い時期は、ベビーリーフを苗から育てるほうが確実
です。
苗を購入して育てると、発芽までの時間がかからないため収穫時期もより早くなります。
【ベビーリーフの苗の植えつけ方法】
●プランターの場合
プランター栽培に必要なもの
5リットル程度のプランターまたは8号サイズ以上の植木鉢
室内で栽培するならプランターの受け皿
野菜用の培養土
防虫ネット
プランターでベビーリーフを栽培するには、プランターもしくは植木鉢を用意してくださ
い。
5リットル程度の小さめのプランターや、
8号サイズ(直径約24cm)以上の植木鉢であれば問題ありません。
収穫したい量に合わせて、プランターのサイズを選びましょう。
また室内でベビーリーフをプランター栽培する場合は、
プランターの受け皿も忘れずに用意しましょう。
プランター栽培に使用する用土は、野菜用の培養土を使用します。
おすすめは『今日から野菜 野菜を育てる土』です。
自分で用土を配合するなら、
赤玉土と腐葉土とバーミキュライトを7対2対1の割合で混ぜ合わせてください。
屋外でプランター栽培するなら、害虫対策に防虫ネットをかけておくとよいでしょう。
プランターがなければ、丸い鉢や、発泡スチロールの箱、木箱、イチゴパックなど、
基本的になんでも使うことができます。
一つだけ気をつけるのは底に穴が開いているかどうか確認することです。
開いていない場合は必ず開けておきましょう。
種まきのポイントは、種をまく前に土をしっかり湿らせておくことです。
販売されている土はたいてい乾いていて、
じょうろで水をかけるだけではなかなか土に水がしみ込んでいきません。
初心者にありがちなのが、
水をかけてすぐにプランターの下から水が出て来たら十分に吸ったと勘違いしてしまうこと
です。
実は土の表面だけが濡れて、真ん中は乾燥したまま、ということがよくあります。
これを防ぐため、水をかけたら手で土をかき混ぜて水をまんべんなく吸わせてあげましょ
う。
ホットケーキミックスに水を入れた時と同じようによく混ぜれば、土は水をしっかり吸収し
ます。
種は「ばらまき」します。
土の表面近くからまくと種がかたまって落ちてしまうので、
少し高いところからパラパラと散らすようにまきます。
まき終わったら上から土を5ミリ〜1センチ程度かけて、
その上から霧吹きかじょうろで優しく水をかけます。
さらに濡れた新聞紙をかぶせて完了です。
新聞紙が乾いていたら水をやるようにし、発芽するまでは土が乾かないように管理しましょ
う。
暑い時期は乾燥しやすいので、
ベランダで育てる場合でも芽が出るまでは室内に置いておくと安心です。
●水耕栽培での育て方
ベビーリーフを水耕栽培で育てる場合は、
水と液体肥料を吸わせたスポンジの上に2〜3粒ずつ種をまいてください。
種が乾いてしまわないよう、種の上に濡れたティッシュなどを被せて発芽を待ちます。
【水耕栽培の種まきから発芽までの手順】
水耕栽培に必要なもの
栽培容器
スポンジ
ティッシュなど薄い紙
液体肥料『微粉ハイポネックス 』
水耕栽培とは、土を使わずに水と液体肥料だけで野菜を栽培する方法です。
ベビーリーフを水耕栽培するには、プラスチック容器、タッパーなどを栽培容器にして育て
ます。
水耕栽培の場合、容器の底に水抜きの穴を作る必要はありません。
水耕栽培では土の代わりにキッチン用のスポンジと、ティッシュのような薄い紙を使用しま
す。
スポンジは固すぎると根が伸びにくくなるため、ふわふわした柔らかいスポンジを使用しま
しょう。
容器に水と液体肥料を入れ、そこにスポンジを入れます。
スポンジをぎゅっと押して水分を吸わせた状態で、
スポンジの半分が水に浸かるくらいに水の量を調整します。
水分を吸ったスポンジの上に種をまき、濡れたティッシュなどを被せます。
発芽して根が伸びてきたらティッシュを外してください。
●日当たり
ベビーリーフは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。
室内でプランター栽培や水耕栽培する際は、日当たりのよい窓際に置きましょう。
室内で日当たりを確保できない場合は、ライトを当てる方法もあります。
●温度
ベビーリーフの生育に最も適した温度は、15℃〜20℃といわれています。
ベビーリーフの種は複数の野菜の種がミックスされていますが、
似たような環境で育ちやすい種が配合されています。
種の種類によって生育適温を変える必要はありません。
ただし、発芽温度は種の種類により異なるので注意しましょう。
レタス類の発芽温度は15℃〜20℃、アブラナ科では10℃〜30℃です。
発芽温度は下回っても上回っても、発芽しにくくなります。
室内で栽培する場合は、夏場・冬場の室内温度に注意してください。
・水やりに気を付けて
ベビーリーフは、生長段階に合わせて水やりの方法を変えていきます。
種まき後、または苗の植えつけ後から発芽するまでは、
種が乾燥しないようこまめに水を与えてください。
水やりをするときは種が流水で流れてしまわないよう、
ハスグチの細かいジョウロを使用するのがおすすめです。
発芽してからの水やりのタイミングは、土が乾いてからです。
1回の水やりの量は、プランター栽培ならプランターの底から水が出てくるまで水を与えてく
ださい。
露地栽培の場合は天候にもよるため、
土がカラカラに乾いたタイミングで1株あたり1.5リットル〜2リットルを目安に水やりしまし
ょう。
注意点として、水の与えすぎは株を弱らせる原因です。
ベビーリーフの生長具合をみて適宜水を与えてください。
水耕栽培に関しては、1週間に1〜2回容器の水を取り替えます。
水が少なくなっていたり、水が濁ったりしていたら、その都度水を取り替えましょう。
容器に入れる水の量は、スポンジが半分浸る程度が目安です。
スポンジ全体が浸かるまで水を入れてしまうと、水が多すぎて根が腐ってしまうことがあり
ます。
また水を取り替えるごとに、液体肥料も入れ直しましょう。
液体肥料の量は、使用する商品に記載されている量を守って使用してください。
多すぎる肥料は、かえって根を腐らせてしまう原因になります。
・採取の方法
ベビーリーフの双葉が開いてきたら、必要に応じて間引きをしましょう。
株と株の間に、1cmほどの隙間を作るのが目安です。
このとき根っこから株を抜いてしまうのではなく、ハサミで根元をカットして間引きしてい
きます。
カットした葉は食べられますので、ぜひ味見してみてください。
きれいに泥を落とせば根っこも食べられます。
ベビーリーフは株間を空けるか空けないかで、味や食感、葉の色が変わります。
株間を開けて育てたベビーリーフは葉の緑が濃く、風味が強いです。
反対に間引きせず株間を密にして育てると、茎葉は柔らかくなります。
味の好みや、ベビーリーフの使用シーンに合わせて株間を調整しましょう。
ベビーリーフの背丈が10cm程度に伸びてきたら、収穫のタイミングです。
ベビーリーフの収穫方法は2つ、「株採り収穫」と「摘み取り収穫」があります。
●株採り収穫
ベビーリーフを株ごと抜き取り収穫する方法です。
根っこごと抜き取るため、ベビーリーフを繰り返し収穫することはできません。
●摘み取り収穫
食べられそうだと思ったら取りどきです。
葉の大きさは5センチでも10センチでも、食べたいときに収穫しましょう。
はさみの先端で葉の付け根から、他の葉を傷つけないように気をつけてカットします。
このとき、新芽を残して外側の葉だけを収穫すれば、
数日後には若い葉が伸びて再び収穫することができます。
土に養分があれば、土を変える必要も追肥する必要もありません。
ただし生長する葉の色が薄くなってきたら、土の養分が薄くなってきている状態です。
葉の色が薄くなっていたら栽培を終了し、土を取り替えて新しく栽培をスタートしましょ
う。
ただしベビーリーフが病気にかかっていたり、
害虫がついていたりしたらその時点で栽培を終了してください。
・外注対策の方法
特に屋外で栽培すると害虫被害に遭いやすいため、
寒冷紗や防虫ネットなどをかけて害虫対策をしておくと安心です。
ベビーリーフの葉のうらや茎をよく観察し、幼虫が付いていないか、
卵が産み付けられていないか確認してください。
幼虫や卵を発見したら、葉ごと取り除いて補殺します。
害虫が増える前に、早めに駆除することが大切です。
いかがでしたでしょうか。
室内でも栽培できるため、ほぼ一年中栽培可能な野菜です。
私も調べながら、これなら栽培下手な私にもできるかも、と思いました。
是非、皆さんも試してみてください。
では、また違う記事にてお会いしましょう。
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